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令和の大改修 襖編。

客殿を仕切る襖ですが、予算の都合もあってほとんどを張り直しにしてもらいました。

現在、襖屋さんが鋭意製作中ですが、紙を一枚ずつ剥がしていって使えるところまで行ったらさらにまたそこに貼っていくのだそうです。

今回剥がしていくとそこにはこんな紙が。

 

 

反転させてみるとこのように書かれています。

 

 

裏返して貼っていますが、天保二年の字が見えます。

天保二年 正月吉祥日 炭割木留 でしょうか。

よく分かりませんが、その頃の住職の字でしょう。

よく見ると戒名のようなものを書いたものも。

 

 

昔は紙は貴重品でしたし、手漉きの和紙を使っていたため再利用するために書き損じやメモ書きのようなものまで大事に取って置かれたのでしょうね。

今盛んにSDGsやら3Rやらと横文字を並べて語られているようですが、日本では大昔から『もったいない』の精神が浸透していたのですね。

何やら誇らしげな気持ちになります。

 

 

木枠は傾き、修復は困難を極めているようですが、職人の意地で修理してくださるようです。

襖は何十年、何百年使うことができる究極のエコ家具。

袋貼りすることで紙が呼吸できるようにし、湿気乾気を調整することで剥がれにくく破れにくくなるのだそう。

今回でまた二百年は使えることでしょう。

 

大改修を通して、日本家屋のエコロジーに対する大きな貢献を知ることができています。

西洋のものは新しくて良いもので、日本のものは古くて悪きもの、という構図は一度リセットしないといけないですね。

日本のものが素晴らしいのは車だけではないのです。

 

あと、二百年後に笑われぬよう、習字の練習はしておかないといけないな…とも思いました(笑)